家族の一員

人間のお彼岸から遅れること一ヶ月。
ペット霊園で彼岸供養が行われた。

いつもながら大勢の人で賑わう。人間の墓地に行っても一度にこんなに多くの人と出会うことは無いと思う。
ペットの慰霊に家族揃って集まってくる。
僧侶が2名、各愛犬・愛猫の塔婆を読み上げる。
側にいた家族が、「ほら○△◇の名前が呼ばれたょ」と凄くウレシそうに話している。
どの家族を見ても、生前いかに可愛がられ、大切にされていたかが伺える。

動物を飼うということは、その動物の一生に責任を持つという重みも伴うことだと思う。
子犬・子猫は無条件に愛らしい。しかし昨今動物も長寿になり、人間と同じ介護が必要となるケースが増えていると耳にする。
通販のページにも、動物の介護用品が増えてきているのは人間と変らない。

癒しを求めて動物と同居を始めても、動物の寿命は嫌でも人間より短い。
しかし以前なら生きてはいけないような病気になっても、動物の世界も医学が発達したせいか、昨今は延命させて頂ける。
すると、人間並みの認知症の動物が増えて来たりする。

己の親の介護とともに、家族の一員となった動物の介護をする覚悟をも持たねばならない時代になって来たのだろうか?
そして、家族の一員となった動物の死後、家族のお墓に入れる訳にもいかず、収めるべき場所を求めこのようなペット霊園に辿り着くのだろう。

もはや犬・猫はペットとは呼べない。かけがえの無い家族なのだ。

タイトルとURLをコピーしました