消えた芸術の復活

1900年頃、金属製ビーズで織られた『メタルビーズバッグ』がパリの社交界の貴婦人たちの間で流行したが、極小の穴を空けられるメタルビーズを作れる職人がいなくなると、店頭から姿を消してしまい幻のバッグとなった。
それを復活させたのが、日本人の倉橋佳子さん。
極小の金属ビーズが作れる工作機械を発注し、みずから織り機を開発し、メタルビーズバッグの復活に成功した。

日本各地で教室を開いていて、外国人が習いにきてもすぐに挫折してしまうと言う。
日本人の手先の器用さ、根気強さがメタルビーズバッグの復活の原点のようだ。

参照: livedoor’NEWS

消えた芸術の復活
homespun by 素敵屋

染織を勉強してきたが、機織は趣味の域。
それでもホームスパン(羊毛を手で紡ぎ、手織りをした毛織物)に魅せられ、一時期かなり入れ込んだ時期があった。

原毛をカービング(紡ぎ易くするために糸の毛の向きを揃える)・スピニング(カービングした原毛を糸車で紡ぐ)・整径(織り機に張る為の縦糸を整える)・筬通し(縦糸を機にかける)そして織り上げる。

綿や毛の整径や筬通しはまだしも、絹糸の整径や筬通しとなると…考えただけで気が遠くなる。
一枚の布にどれだけの縦糸が使われているか?考えて頂ければお解かりになるだろう。

メタルビーズも機織と同じ肯定のようだが、違うところは縦糸に対し横糸ビーズを一つずつ入れいくようだ。
お相撲さんの『化粧回し』や劇場の『緞帳』に使われる『西陣織』の製作過程に近い物があるかもしれない。

芸術の世界では、著名な作家にでもならない限り食べていくことは難しい。
根気や技術に対する代償があまりに低く、後継者が育たないのが現状だろう。
そうこうするうちに、伝統の継承は途切れていくのだろうか?

倉橋さんの記事を読み、趣味の粋でも染織に関わって行きたいと感じた。

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